自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた皮膚再生治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた皮膚再生治療は、次のような方におすすめです。 しわ、たるみ、目の下のくま、ほうれい線が気になる方 肌質そのものを改善したい方 若々しい肌を取り戻したい方 現在の肌の状態をこの先も保ちたい方 自然な形で肌悩みを改善したい方 長期的な効果がある治療を受けたい方 ヒアルロン酸注射のような即効性は求めない方 < 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた皮膚再生治療で期待される効果 > 1) 自己脂肪由来間葉系幹細胞とは ① 幹細胞とは 【幹細胞の分化能】 【幹細胞の自己複製能】 人は生命を維持するために、絶えず入れ替わり続ける組織を保つために、失われた細胞を再び生み出して補充する能力を持った「幹細胞」を持っています。幹細胞には、皮膚、赤血球、血小板など、わたしたちのからだをつくるさまざまな細胞を作り出す能「分化能」と自分とまったく同じ能力を持った細胞に分裂することができるという「自己複製能」があります。 ② 自己脂肪由来間葉系幹細胞とは 自己脂肪由来間葉系幹細胞とは、患者様ご自身の脂肪組織から単離培養された幹細胞の一種です。この幹細胞は、神経や血管など多様な細胞に分化する能力及び、創傷治癒を高めるたんぱく質を分泌する能力があると言われています。また、脂肪由来間葉系幹細胞は、皮膚組織にコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなど、お肌のハリ・ツヤをもたらす成分を産生させるためのたんぱく質を分泌します。 2) 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた皮膚再生治療 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた皮膚再生治療は、脂肪由来間葉系幹細胞が持つコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどを産生させる力を用いた再生医療です。患者様の脂肪の一部を採取して、クリーンな環境のもと、細胞を増やして、必要なタイミングで患者さん自身の皮膚に戻す(注射する)ことで、皮膚の再生を図ります。採取される脂肪は5g程度で、この脂肪を原料に脂肪由来間葉系幹細胞を培養します。注入される脂肪由来間葉系幹細胞はご自身の細胞ですので、安全性が高いとされています。一度の採取で長期間にわたり、冷凍保存ができます。年齢を重ね、ハリ・ツヤが気になり始めた時に再び脂肪由来間葉系幹細胞を皮膚に戻すことができます。 3) 治療の効果 肌の真皮のヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの産生促進により、皮膚を若返らせ肌のたるみやシワなどを改善します。また、肌のハリやツヤをもたらします。個人差がありますが、治療後3~6ヶ月程度で修復を実感します。その後、2~3年は体内で働き続けます。ただし、コラーゲンやヒアルロン酸の注入治療と異なり、即効的な効果は期待されません。 4) 治療方法と継続治療 脂肪由来間葉系幹細胞を培養して、増やすために、元となる脂肪をお腹などから5g程度、採取します。採取には局所麻酔を使用するため、痛みを伴うことはありませんが、採取した部位が元の状態に回復するには、数日かかります。細胞の培養が完了するまで、約2ヶ月間必要となりますので、その間、お待ちいただくこととなります。細胞の培養が完了後、当クリニックでご自身の脂肪由来間葉系幹細胞を多く含んだ注射液を皮膚のハリ・ツヤが気になる部分に注射します。注射に用いなかった脂肪由来間葉系幹細胞は細胞を培養した施設で安全に冷凍保管され、将来、必要な時に再び注射液として皮膚に注射することができます。注射後は異常等がないことを確認するために3ヶ月間は、月1回程度の間隔で定期的に通院していただきます。その後は、必要に応じて1年〜3年に1回の治療をおすすめします。 5) 治療後の注意 施術当日から洗顔や化粧(メイク)は可能です。当日の飲酒、サウナ、激しい運動はお控えください。施術部位に強く圧迫を加えるようなことは避けてください。 6) リスク・副作用 自己脂肪由来間葉系幹細胞は、患者様自身の脂肪から作っていますので、ご自身に肝炎やエイズが無い場合、それらを引き起こすウイルスの感染の心配は全くありません。ただし、治療後3ヶ月間は概ね月に一度程度の来院により、下記の有害事象がないことを確認する必要があります。 皮膚を切開し、脂肪を採取する際、麻酔を使用します。そのため、施術中の痛みはほとんどありませんが、注射の痛みを感じる場合があります。動物由来の原材料(ウシ胎児血清)を用いて製造しているため、稀に過敏症を引き起こすことがあります。注入直後は処置部位に、凸凹が生じる場合があります。針の痕が残ることもありますが、ほとんどの場合、2〜3日程度で目立たなくなります。内出血、腫れ、発赤、疼痛、かゆみ、変色、および圧痛などが現れることがあります。(1週間程度)ごくまれに、切り傷が化膿したり、壊死(細胞の死)や変色、着色等の外見的に好ましくない有害事象が起こることがあります。 万が一、副作用が発生した場合、適切に症状を診察し副作用の軽減ができるよう最善の処置を行います。 7) 治療を受けられない場合 局所麻酔に過敏で、脂肪を採取できない方治療中の病気があり薬を服用している方(*薬の種類によっては治療をうけることができない場合があります。)治療する目的の部位が感染している場合妊娠しているまたはその可能性がある場合 その他、医師が不適切と判断する場合があります。治療を受ける前に主治医とご相談ください。 8) 治療が中止される場合 次のような場合は、治療を中止することがあります。場合によっては、患者さんが治療を続けたいと思われても、治療を中止することがありますので、ご了承ください。 患者さんが治療をやめたいとおっしゃった場合。検査などの結果、患者さんの症状が治療に合わないことがわかった場合。患者さんに副作用が現れ、治療を続けることが好ましくないと担当医師が判断した場合。標準的な細胞培養を行った結果、個人差等の理由により治療に必要な脂肪由来間葉系幹細胞が得られなかった場合。 その他にも担当医師の判断で必要と考えられた場合には、治療を中止することがあります。中止時には中止の理由を説明します。そして、安全性の確認のために検査を行います。また、副作用により治療を中止した場合も、その副作用がなくなるまで検査や質問をさせていただくことがあります。■第二種 再生医療等提供計画(治療) 届出自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた皮膚再生治療 サカイクリニック62 坂井万里 9) 料金 本治療は保険適用されないため、全額自費診療となります。本治療に係る費用は患者さんの症状、施術回数などにより患者様毎に異なることがあります。施術する前に詳細な施術料金を提示いたします。当院の治療費用(参考) 【初診料+血液検査】 初診料 5,000円(税込5,500円) 血液検査 10,000円(税込11,000円) 【施術料】 初回(皮膚採取+細胞培養+細胞10cc) 3,000,000円(税込3,300,000円) 2回目以降(細胞培養+細胞10cc) 2,000,000円(税込2,200,000円) 【再診】 再診料 5,000円(税込5,500円)/回 【細胞保管料】 年間保管料(1年更新) 120,000円(税込132,000円) 《 キャンセル規程 》 【診察+⾎液検査費⽤】いかなる理由でも返⾦不可となります。【施術費⽤】組織採取前・・全額返⾦いたします。組織採取後(施術予定⽇の3週間以上前)・・90%を返⾦させていただきます。組織採取後(施術予定⽇の3週間前以内)・・80%を返⾦させていただきます。キャンセルに関しましては、クリニックの診療時間外はお受けすることが出来ません。特にキャンセル締切⽇が年末年始、当院の夏期休暇や休診⽇に重なる場合がありますので、確認の上、⼗分余裕を持ってお申し付けください。 10) よくある質問 Q1. 自己脂肪由来間葉系幹細胞再生医療はニキビ痕に効果がありますか? 自己脂肪由来間葉系幹細再生医療は、ニキビ跡(ざ瘡瘢痕)の治療では静脈投与を行うことで症状の改善効果が得られるという報告があります。 Q2. 自己脂肪由来間葉系幹細胞再生医療は生活習慣病にも効果がありますか? 自己脂肪由来間葉系幹細胞再生医療は、脳梗塞・糖尿病・肝硬変・虚血性心疾患・閉塞性動脈硬化症・慢性疼痛などに効果があったという医学論文の報告があります。大規模な臨床研究ではないため明らかではありませんが、静脈投与により、脳や肝臓、膵臓・血管など様々な部位に幹細胞が働きかけ良い影響を与えている可能性が示唆されます。 Q3. 間葉系細胞について詳しく教えてください。 間葉系細胞とは、骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など中胚葉性組織に分類される部位にある細胞です。間葉系幹細胞は、他の部位の間葉系細胞へ分化する能力を持っています。中でも、脂肪組織由来の間葉系幹細胞は、HGF(肝細胞増殖因子)やVEGF(血管内皮増殖因子)といった成長因子(再生促進因子)の産生が多いため、臓器修復、免疫調整能に優れています。また、全身の脂肪組織から大量に採取することができる点もメリットです。そのため再生医療で大きな役割を果たしています。